【動画】バショウカジキのえらに出入りするヒシコバン=アクアマリンふくしま提供
大型魚の腹に頭の吸盤でくっつくコバンザメ。大型魚にとっては利点がないとされていたが、ある一種が、大型魚のえらの中にすみ込み、専属の「掃除係」として共生していることが、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」の研究で初めて分かった。
コバンザメは大型魚にくっつくことで、移動や食事のおこぼれにあずかり、他の魚に狙われる確率も減る。その行動が権力者や成功者にすり寄る人に比喩的に使われる。
一方、大型魚にとっては高速で泳ぐ際に邪魔になったり、吸盤でくっついた皮膚が炎症を起こしたりするなど、コバンザメ側が得をするのが定説とされた。
それを覆したのが、バショウカジキとコバンザメの一種「ヒシコバン」との関係だ。
外洋を最高時速30キロで泳ぎ、飼育も観察も難しいとされるバショウカジキ。9年間の研究の末、同館が飼育展示に成功したのは2009年で、やがて係員が、同魚のえらからヒシコバンが出入りしているのに気づいた。
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